2005年05月27日

ネタバレ注意 - ハウルの動く城

表題の通り、ネタバレ以上にネタバレなので読むときはご注意を。

さて、なかなか時間がとれなくて伸び伸びになっていたが先日やっと観た。男性は女性によって、そして女性は男性によって呪いを解かれるという、定番ラブストーリー。戦闘シーンや魔法効果、機械の描写などはかなり迫力モノで、子供には面白いかもしれないが…

「ハウル」動きがヘン!?盛り上がりがイマイチ

というように、話の意味がいまいち分りにくいのかもしれない。それでは今作は「千と千尋」などに比べると、見劣りする作品なのであろうか。否、私は今作こそ現代の日本人にとって意味のある大作であると断言したい。
私の解釈では、今作品は現代日本の最大の問題のひとつと言ってもいいかもしれない、「パラサイトする男性の独立の過程」、をあらわしているのではないかと考えている。

ハウルは男前だし魔法も使える。一見この世を謳歌しているかのように見える。しかしその正体は、荒野の魔女に怯え続け、未熟な悪の力を制御できない弱虫なのである。これは現代のパラサイトシングルの男性の実態に近い。両親との同居はまさに「城」での生活だ。生活費が必要ないために、稼いだ金で楽しいことを魔法のように自由にできる。

しかし本当の意味で自立していない彼らは、荒野の魔女に追われているハウルのようなものだ。すなわち、両親に対する甘えと対決できないため、いつまでたっても漠然とした不安に悩まされ続ける。荒野の魔女はユング心理学でいうグレートマザーのダークサイドような役割を演じている。魔女はハウルとソフィーへの嫉妬から、ソフィーにおばあさんになる魔法をかけるのであった。

ソフィーはめげずにハウルの動く城に潜入し、その知恵と優しさでハウルの覚醒を助ける。風呂を掃除してハウルの髪の色が変わってしまったこと、ハウルの心に巣食うカルシファーとの駆け引きなどなどだ。汚い風呂を掃除することは少女にとっては当然でも、ハウルにとっては取り返しのつかないことだった。しかしそんなことはたいしたことではないと諭すソフィー。

人生において本当に大切なこと、「女性を愛しその愛から己の成長の糧を得る」ということをパラサイトに甘んじているマザコンボーヤに教えてあげたのであった。

そのおかげでハウルは目覚め、彼女を守るためにがむしゃらに闘いはじめるがそれは根本の解決にはならない。魔女からの開放、邪悪な力からの開放が要求されるのである。最後の場面でそれを悟らせてあげるのは、またまたヒロインの力だ。
魔女からハウルの心臓を取り戻し、カルシファーとの契約を解消し、ハウルは悪魔の束縛から逃れることができたのである。

ハウルの呪いを解いたソフィーもその自信からか、いつの間にか魔女にかけられた呪いが解けていた。ヒーローとヒロイン、いわば運命のソウルメイトが出会って、お互いがお互いの呪いを解くという感動の物語。パラサイトの呪縛から逃れられない男性諸君。素敵な娘といい恋愛をするのが鍵だという、宮崎さんからのメッセージを心して受け取ってみては。


恋人.jpg
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